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クラウド、IT、女性をめぐる本と思考の旅

舌鋒鋭い女の悪口――『邪道モテ!』

邪道モテ! オンナの王道をゆけない女子のための新・モテ論

邪道モテ! オンナの王道をゆけない女子のための新・モテ論

 

 人の悪口を言ってくれる人の話を聞くのは面白い。舌鋒鋭ければ尚更よし。そんな感じの本。

なんでこの本読もうと思ったのか、たしか白河桃子さんの『格付けしあう女たち』で紹介されてたんだったかな。もともと峰なゆかの『アラサーちゃん』のファンで、彼女のシニカルな人間観察の鋭さに括目してたところ、『格付けしあう女たち』で紹介されてて読みたくなったのだった。その人間観察眼はこの対談集でも健在。体裁としては、王道モテに行けない女子のためにどう邪道でモテるか?というハウツーなのだが、基本的に男も女も含めて人を馬鹿にしまくってるところが本当に最低で面白い。それは著者たち自身の「こじらせ女子」ルーツに所以しているのだが、ふたりとも「こじらせ女子」をベースに持ちつつ、最終的には抜け出して20代でモテゾーンに達した人たちなので、基本的にものすごい上から目線なわけです。馬鹿にされている側はたまらないわけですが、もはやそこを開き直って確信犯でキャラを自己定義してマーケットに訴求していくしか30代以降の戦略としては機能しない。そういうことが全体的によく分かる良書でした。

ちなみに後半、邪道モテテク=「アオレンジャー男子」(ひねくれ男子)対策が惜しみなく手とり足とり出てきますが、本当にこれこそひねくれ男子を馬鹿にしているとしか思えなくて不憫すぎる。アピールは小沢健二ゆらゆら帝国村上春樹松本大洋、でも詳しすぎて張り合うと男子は引いちゃうから、あくまで女の子らしくするのがコツなんだって☆

個人的にはひねくれ男子のパターンにIT系エンジニア男子を入れてほしいところです。絶対このジャンルにはまると思うな~。