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考えるきっかけをくれた本――『21世紀を生き抜く3+1の力』

21世紀を生き抜く3+1の力

21世紀を生き抜く3+1の力

 

 未来の話をするときってどうしていつもなんとなくポジティブな気分になるのでしょうね?もちろん暗い未来像なんていくらでも現時点でのファクトから描けるわけだけど、まだ決まっていないこれからの社会を思い描くとき、明るくあってほしいと思う。それは自分の手で作ることができる現実だからです。

そんなポジティブな未来をこの手で作り出すために何の武器が必要か、どうやってそれを磨くかをわかりやすく解説してくれているのがこの本。

21世紀に求められる3つのスキル

具体的な武器として、21世紀に必要な3つの力「考える力」「共創する力」「進化する力」を著者はあげている。
どうしてこの3つが出てきたのか?と思ったら、ガートナーが2010年に発表した、今後10年間における10のワークスタイルの変化についてのレポートが元になっているらしい。このガートナーのレポートからのlearningとしてこの3つが適切なのかどうか、そもそも21世紀スキルとして10年間予測のレポートを元にするのが適切なのかどうかは分からないけれど、このレポートはこれはこれですごく興味深い。

Gartner Says the World of Work Will Witness 10 Changes During the Next 10 Years

で、率直な感想としては、実は私はこの3つの力については読んだ当初正直あまりピンと来ませんでした。著者の熱意は非常に強く感じたし、いろいろなエピソードの面白さになるほど思うことも多かったけど、体系立ったフレームワークを自分の中に埋め込まれるような強い読書体験にはならなかった。

自分が目指すものは何かをどう見つけるか

面白かったのは、「21世紀スキルの始め方」でステップで示された、自分が目指すものを見つける方法。おそらくは著者の経験に裏打ちされた、自分が何をやりたいのかをどうやって見つければいいのか、について書いてある部分。ここを読んで、強烈に自分が何をやりたいのかを発見したいと思い、そしてやってみた(途中までだけど)。まだ分からない。こんなんじゃだめだと思う。けれど、そのためのきっかけとなったことは確かです。読むことによって知見を得るのではなく、自分で考えるきっかけをもらえる本。そういう読書体験をさせてくれる本はなかなかないと思う。